1.保育士の給料

 

2011年の平成二十三年賃金構造基本統計調査では職種別の平均給料などの調査結果を確認することができます。そのなかの保育士の項目では、企業規模計の区分で、平均月収は約二十六万三千円、賞与は約六十五万八千円となっています。

 

これはあくまでも平均ですので、働き始めの二十代は二十万円を下回る場合もあり、都市部か地方かによっても賃金には差が出てきます。全体で見ると、保育士は給料が低めの業種であり、長期的な給料のベースアップも他業種に比べると小幅な傾向にあります。

 

個人経営の保育所に 採用されて、時期を追うについてどんどん昇給し続けるみたいな事はかなり条件のいい保育所でないとすれば厳しいと言えます。ですが、保育士という仕事は景気に翻弄されにくく、賞与は例年どおりもらえる場合がほとんどで、「今年は景気が悪くてボーナスが出なかった」などという話は耳にしたことがありません。

 

そういった面では、収入が安定している職業といえるでしょう。さらに、各地方の行政によっては公立の保育所として勤務する保育士を探していることもあり、競争率が激しく狭き門ですが、地方公務員の身分で保育士をめざす事が可能です。

 

公務員の給料はご存知のとおり定期昇給を望めますし、よほどのことをしなければ解雇されることもありません。待遇がグッとよくなるので、生涯保育士として働き続けたいと決めている人には、魅力的な職場といえるでしょう。

 

 

★給料が上がらない施設と上がる施設★

 

これはどの業種でもいえることですが、俗に言う「ブラック企業」のような待遇の民間保育所も残念ながら存在します。多すぎるサービス残業、低賃金というような環境に苦しめられ、退職する保育士がいることも事実なのです。

 

保育士と呼ばれる仕事には金銭では測れない働き甲斐という物があると思いますが、仕事した代価としての給与も大切な要素になります。保育士自らに気持ちのゆとりがあってはじめて、よりよい状態で子どもたちと関わっていくことができるはずです。

 

そのために事前にしっかりと給料面や待遇を把握しておきましょう。求人票だけでは、なかなかその施設の実態を把握することはできませんが、以下に「給料や福利厚生が安定している施設の特徴」と「事前によく待遇を確認しておきたい施設の特徴」をまとめました。

 

 

安定している施設の特徴

・公立保育所から民営化された保育所

・認可保育所、企業内保育施設、院内保育施設などを展開している企業

 

事前によく待遇を確認しておきたい施設の特徴

・求人票の内容が不明瞭なところ

・小規模な保育所

・「結婚したら退職」といった暗黙の了解のようなものが見られる施設

 

安定している施設の「民営化された保育所」についてですが、まず公立保育所が民営化される場合、その民間保育所は地方自治体側によって選ばれて運営を要請されます(認可保育所)。

 

保育所だったらどこでもOKだというわけではなくて、認可保育所の場合では、国が認めた設置基準をクリアして都道府県知事に認可された施設であることが条件です。入札とか抽選によって運営の権限を手にできるということにはなりません。

 

一例として、見附市の公立保育園の民営化について見てみましょう。「見附市公立保育園民営化等実施計画」には以下のように記載されています。

 

 

移管先の選定

 

移管先の本質的な認識は、保育園運営の性質ゆえ、保護者の信頼の下で安定的・長期的に運営され保育サービスの維持改善と市の育児支援政策との協調を目標としなければならないことから、移管先は法人が望ましいと考え、移管先の募集方法については、公募を基本とします。

 

また、学識経験者や保育関係者等で構成する選定委員会を設置し、移管先を審査決定します。今後、詳細な応募要件・選考基準を設け、選定していきます。一文には「安定的・長期意的に運営」とあり、選ばれる保育所は財政的に磐石でなければ駄目な場合がうかがえるでしょう。

 

財政的にしっかりとした施設であれば、賃金面でもキッチリとしている特徴があります。自分の身近な所にも複数名民営化した園に勤務している知り合い・友人がいますけれど、給料面で安定している人が多いですし、退職の割合も少ないです。「民営化した公立保育所」は雇用先の1つの基準として参考になるでしょう。

 

 

★男性保育士の給料についての悩み★

 

保育士のサイトを運営していると様々な質問を受けますが、給料についてもよく質問されます。「保育士って収入が多くないと聞いているので、親から反対されています。僕はどうしたらいいんだ・・・」「保育士という職業に以前から興味があり、転職しようと考えていますが、家族を養っていけるか・・・」

 

質問の多くが、収入面においての心配や、給料の安さを理由に身近な人から反対されるという内容です。一般的にも「保育士=給料が安い」といったイメージがあり、とりわけ男性が保育士をめざすならば、必ずといってもいいほど給料面の問題にぶつかります。

 

私はこうした質問がきたときには、まず年齢を確認するようにしています。そして十代・二十代の人には公務員をめざすことで給料面の不安は解消できることを伝えます。ですが、三十代の男性で異業種からの転職に関しては、保育士に就職なることを推奨しないように努めています。

 

理由としては、質問する人によっても異なりますが、一つは公務員の受験資格が三十歳までの自治体が多いこと。二つ目は、三十代の業界未経験者の男性を受け入れる保育所がなかなか存在しないためです。

 

本来ならば公務員の受験年齢にかかわらず、やりがいがある保育士という職業をめざしてほしいですが、現実には様々な問題があり、女性ならばともかく、男性が三十歳を以降に保育士を目指す事はやめた方が良いです。保育士業界ではまだまだ男性の門戸は狭いといえるでしょう。

 

男性が保育士をめざすのはいろいろなハードルがあって大変なのでは?と感じてしまうかもしれません。ただ、近年ではどの業種でも生涯安定して働くことが難しい時代になってきました。自分に向いてない仕事でノルマや人間関係に悩まされ、「本当は保育士になりたかった」と思って日々を過ごしていくくらいなら、思い切って挑戦してみることも決して悪くはないはずです。

 

自分の天職を見つけることができるかもしれませんし、たとえ保育士という職業を続けられないとしても、その経験は必ずどこかで生かされるはずです。

 

 

2.実際の保育士の給料明細

 

★実際の保育士の給料を見てみよう★

 

ある保育所で五年間勤務した保育士が実際に受け取った給料明細を元に説明していきたいと思います。比較するのは勤務一年目と勤務五年目のものです。

 

一年目は基本給と手当がついて二十万程度(手取りで十六万円程度)です。五年目には基本給と手当がついて二十三万五千円程度(手取りで十七万五千円程度)になるようです。

 

二つの給料明細を比較すると、一年目から五年目にかけて基本給が月額二万二千八百円、調整手当が月額八千円上がりました。ただし、所得税と各種社会保険料が給料のベースアップに比例して上がったほか、社会人二年目からは住民税が加算されるため、実際に手取りで上がった収入は一万五千円程度になります。

 

ほかにこの保育所では、夏と冬に約二ヶ月分の賞与が毎年支給されているので、年収ベースで見ると三百五十万円程度になります。他業種と比較すると大幅なベースアップは望めませんが、毎年給料と賞与として安定した金額をもらうことができる職種といえるでしょう。

 

また、明細には保育士独特とも言える「給食費」という項目も見られます。保育所では給食を提供する義務があり、その給食を保育士も食べているため、その代金が毎月の給料から天引きされます。保育所によっては給食費を負担してくれるところもありますが、自己負担のところのほうが多いようです。

 

とはいっても、月四千円です。二十日から二十二日勤務として計算すると、「一食につき二百円以内」と非常にお手頃なことがわかると思います(給食とは別に十五時には園児用のおやつも付きます)。働く保育士にとっては、経済的にも時間的にも給食は非常に助かっています。

 

他にも保育所によっては、「特殊業務手当」(保育所の行事などに対する手当)や「技能手当」(特殊な指導ができる保育士への手当)といった手当が支給される場合があるので、状況に対応してチェックしてみましょう。

 

 

★求人票はよくチェックしておこう★

 

就職先を探す際は、保育所の雰囲気や規模などたくさんの比較要素がありますが、求人票の待遇や給料面は特にしっかりと確認しておきましょう。これから何年も勤める保育所になるかもしれません。月々ではわずかな違いでも、年単位ともなればかなりの開きが生じるかもしれません。

 

現実的に職務に就いてから不平不満があっても、待遇を改善するのは難しいのが現実です。焦る気持ちも出てくるかもしれませんが、あなただけの希望だったり譲歩できるポイントを前もって決めておいて、じっくりと就職先を探してみてください。

 

求人票1

<保育士経験者優遇>認可保育園での勤務

給与

◆月給20万円~(諸手当含む)

待遇・福利厚生

◆社会保険完備

◆退職金制度あり

◆夏季・冬季休暇あり

◆交通費支給(上限45000円)

 

求人票2

<保育士経験者優遇>認可保育園での勤務

給与

◆月給16万円~(諸手当含む)

待遇・福利厚生

◆賞与年2回

◆昇給年1回

◆社会保険完備

 

 

上記は実際にあった民間の保育所の求人票です。

 

一見、上の求人票のほうが目を引きますが、給与を計算してみると、二十万×十二ヶ月=二百四十万円。それと比較して下の求人票の保育園は、十六万×十六ヶ月=二百五十六万円。年間で十六万円、月にして約一万三千円も給料が高くなっています。

 

このように賞与の支給額によっても年収ベースで大きく差が出ますので、ぜひ賞与がいくら支給されるのかもチェックしてください。

 

また、年間の休日日数などについてもできるだけ把握しておきたいところです。仮に月二十五万円(賞与二ヶ月)、年収三百五十万円のAとBの求人を例に比較してみたいと思います。

 

A保育園

給料

◆月給25万円 賞与2ヵ月

土曜保育

◆月2回程度(出社した場合翌週に振替休日を取得する)

年末年始・夏季冬季休暇

◆12日間

有給休暇

◆10日間

月あたりの平均労働日数

◆平均19日(年間休日137日で計算)

1勤務あたりの所得

◆13157円

 

 

B保育園

給料

◆月給25万円 賞与2ヵ月

土曜保育

◆月2回程度(振替休日なし)

年末年始・夏季冬季休暇

◆4日間

有給休暇

◆10日間

月あたりの平均労働日数

◆平均22日(年間休日101日で計算)

1勤務あたりの所得

◆11363円

 

 

A・Bの保育園は、年収ベースでは同じですが、土曜保育の出勤日数や年末年始・夏期冬季休暇の日数に違いがあります。二つの求人を比較すると、まず土曜保育の振り替え休日の有無によって二十四日間(月二日×十二ヶ月)の休日の差が出ます。

 

さらに、年末年始、夏季・冬季休暇に八日間の差があり、合計すると三十二日間もの差が出ることになります。つまり、Bの保育所ではまるまる一ヶ月分以上多く出勤しているのにもかかわらず、Aと同じ年収ということになり、給料と待遇面だけで考えるとおそらく多くの人がAを第一志望にするのではないでしょうか。

 

以上、単純に同じ年収の例を設定して比較してみましたが、実際の求人ではもう少し比較しづらくなっている場合が多いでしょう。どちらの年収が少し低い場合でも、時給や日給に換算すると待遇がいいという場合もあります。多少手間はかかるかもしれませんが、求人を探す際は、給与を比較するだけではなく、福利厚生面も考慮して検討してみてください。

 

 

★自分なりの基準で就職先を検討しよう★

 

ここではあくまでも「給料」という視点から保育所を比較しましたが、職場の雰囲気や人間関係、教育方針などによって仕事のモチベーションや楽しさ、やりがいなどが大きく変わるので、一概に給料が高ければいい保育所ということではありません。

 

ここで伝えたかったことは、求人内容では少しの違いにしか見えないことが、年間ベースで見ると大きな違いになるということです。これから就職先を探す予定の人は、ぜひ自分なりの給料のラインなどを決めて取り組んでください。

 

 

3.就職先の探し方

 

保育士資を習得したのちは、沢山の人が保育士という立場で職に就ける勤務先を探す就職・転職活動を行ないますが、保育士の職場探しには少し特徴があります。例えば、在学中の場合、一般的にはエントリーシートを書き、企業説明会に足を運んだりしますが、保育士という立場で仕事先を探しだす時はそんな場合はほとんどありません。

 

就職活動の多くは、在学する学校に出された求人票などから面接につながり、本人と保育所でのダイレクトなやりとりを通じてまとまるスタイルがほとんどです。さらに、実習先において世話になった保育所からお呼びがかかって簡単な顔合わせを行なって内定をもらえるということもかなりあります。

 

ここではそのような就職先の探し方に関わる情報をまとめましたのでぜひ参考にしてください。

 

 

★就職先を探す前に★

 

就職活動を始める前に目標を決めておきましょう。単純になんとなく就職活動を行うのではそれほど簡単には思い通りになりません。せめて、どういった形式で勤めるのか、幾らくらいの給与が必要なのか、等といったあなた自身が譲歩することが難しいポイントと、少しくらいならば譲歩可能な点をハッキリさせておくようにしてください。

 

大事な点は十人十色違いますが、例えば公立の保育所(公務員)をめざすのか、勤務時間がきっちりしているところを探すのかなどです。

 

目標の例

・年収ベースで三百万円以上の保育所を探す。

・公立保育所から民営化を行なった保育所に限定する。

・週三日ほど働けて、仕事に都合をつけられる保育所にする。

・法人が管理している保育所に絞る。

・保育園の保育方針が自分の考えと合っているところを探す。

 

こういった目標の確立がしっかりとしてなければ、保育所と自分とのミスマッチが起こりやすく、環境が合わなかったといった可能性も高くなっていきます。一定の目標を見定めてから就職活動をスタートさせていただきたいです。

 

次に主な就職先の探し方をまとめました。自分が設定した目標に近づくために、どういった方法で探すかを検討してみてください。

 

 

★就職先の探し方★

 

1.インターネットで探す

 

ネットでは保育士に特化した人材募集サイトが複数あります。勤務のスタイルとかエリアなどなど細かい設定でリサーチが可能なので、あなたのエリアの募集人員だったり給与の平均値をチェックするだけであってもかなり目安になります。

 

企業がおこなっている保育施設から個人経営の保育所にかけて様々な人材募集が載っています。また、専任コンサルタントなどがついてくれる求人サイトもありますから、勤め先調査の頼もしい助っ人になってもらえます。

 

2.ハローワークで探す

 

ハローワークは、出掛ける手間がかかりますが、通勤に便利な職場を見つけれられるほか、ハローワークの担当者が求人を募集している保育所に対しての問合せとか、やり取りなんかもしてもらえるのでお勧めできます。

 

地域の私立保育園などを希望する場合も、ハローワークや地元の求人雑誌のほうが見つけやすいです。施設の側としても、ハローワークへの求人掲載は無料でおこなえるため、割高な金額のお金を使って人材募集サイトに載せるのに比べると、各エリアのハローワークを使った方が費用を軽減できます。

 

条件がいい求人はすぐに募集が締め切られてしまうので、ハローワークの求人は頻繁にチェックしておいたほうが良いです。その中でもWEBに対応していな所だったり小さ目の保育所の求人などを見つけるのであれば、ハローワークにおいてのリサーチは必要不可欠です。どういった求人が募集されているのか一回くらいはチェックしておくようにしてください。

 

3.求人雑誌や広告から探す

 

求人雑誌や広告の有益なポイントは、その本やチラシ限定で求人を募集しているケースだと、それを見た人しか求人の情報を知らないことです。インターネットとかハローワークと比較して、求人案内を見る人数は多くないので頻繁に確かめるべきです。

 

4.区役所等の求人から探す

 

公務員の立場で保育士をめざす方であるなら外せないやり方と言えます。各地方の行政などによって求人とか試験のスケジュールだったりが違います。さらに年度ごとで募集していないことだってあるので、まずは希望する市町村を決めて役所に連絡してみましょう。募集予定や、必要な提出資料なども教えてくれます。試験日が重ならなかったら2つ以上の市町村にエントリーしても大丈夫です。

 

5.学校にくる求人から探す

 

養成学校や大学などを卒業して保育士資格を取得した場合、在学している学校にくる求人にお世話になる事が可能です。多くの学校には「就職相談室」といった窓口が設置されていて、求人を紹介したり、就職活動についてアドバイスしたりします。在学中の学徒の大半がこういった施設を活用します。

 

さらに、学校次第で学校を出た後であっても求人をアナウンスしてくれる場合もあるので、既卒者は卒業した学校に問い合わせてみるのもおすすめです。保育所によっては毎年決まった学校のみに求人を募集する事も見られるので、それほど出回らない求人が発見できるかもしれません。

 

主な就職先の探し方を紹介しましたが、どれか一つの方法だけに限定しないで、最低限二つの種類の方法を使って行なってみた方が良いです。幅広く探すことで、より自分に合った施設を見つける可能性が高くなりますし、比較などもしやすくなります。

 

就職活動は大変とのイメージをもつ人が多いかと思いますが、保育士自体は人手不足の傾向が続いていて、求人も多くあります。せっかく就職するのなら、ある程度の目標を決めて、納得がいく就職活動をおこなってみてください。

 

 

4.保育士の求人例

 

ここからは実際にどのような求人があるのか見ていきましょう。保育士資格取得後、仕事として資格を生かしていく場合、就職先によっては待遇やライフスタイルなどが大きく変わっていきます。まだ資格をもっていない人でも、どのような形で働きたいか、どのくらいの待遇をめざしていくか、など少しでもイメージをしてもらえたらと思います。

 

★公立保育所の求人★

 

近年では公務員人気と採用人数の縮小によって倍率は常に四倍程度あり、募集人数によっては十倍を超える場合も珍しくありません。新卒の初年度では私立保育所と大きな違いはないものの、定期昇給が見込めるため、長期的に見ると民間との賃金に大きな差が開いていきます。

 

★私立保育所の求人★

 

保育士資格取得後、就職先として選ばれるもっともポピュラーな選択肢です。2013年現在では、保育所の不足の問題や公立保育所の民営化だったりが重なって、私立保育所の求人は多数あり、引く手あまたの状態です。特に都心部では多いので、条件などより自分に合った保育所を比較・検討してください。

 

また、求人票のチェックポイントとして、「土曜出勤の振り替え休日について」があります。多くの保育所が土曜保有に対応しているので土曜出勤がありますが、その出勤を翌週などに振り替え休日として休めるか休めないかで年間の勤務数に大きな違いが出ます。求人票でわからない場合は面接時などにしっかりと確認しましょう。

 

★パート・アルバイトの求人★

 

一般的なパート・アルバイトと同じ様に、時間等に都合をつけられる勤務体系になります。保育所が多忙な時間帯の求人もあることから、フルタイムでは難しい場合でも保育士として働くことができます。主婦、あるいは保育士資格取得前の人に選ばれやすい風潮があります。

 

しかし、保育所の補助として勤務する場合が一般的なので、担任などになって子どもたちとより深く関わっていきたいという人にはあまりおすすめできません。

 

パート・アルバイトの場合、資格がなくても働ける保育所がたくさんありますできないよりは。保育士に興味がある人は、勉強を始める前に一度こういう形で働いてみるといいかもしれません。保育士をめざす人にとってはいい勉強になりますし、保育士をめざすかどうか迷っている人も判断材料の一つになるのでとてもおすすめです。

 

 

5.求められる保育士像とは

 

ここ数年、待機児童を解消するために、どの自治体にも認証保育所(A型・B型)、認可保育所・認可外保育所などたくさんの保育所ができてます。しかしながら待機児童は減らず、保育所は現在でも不足しています。

 

そうすると、保育士の需要は増すばかりということにはなるのですが、だから簡単に就職できるかといえば、やはりそうではありません。採用する保育園側からすれば、この人は年間数百万円の給料を出すに値するか、と慎重になるのは当然です。

 

では、どういった人物が保育園サイドから必要とされるのでしょうか。

 

もしかして、ピアノがうまい人、絵がじょうずな人、成績が抜群にいい人・・・と思っているかもしれません。もちろん、これらのことができるにこしたことはないでしょう。ですが、まず第一に挙げられる条件ではありません。やはり、人柄が大事だと思います。一口に人柄といっても多岐にわたりますので、具体的に話しましょう。

 

まず、ありきたりではありますが、きちんと相手を見て挨拶ができる人です。面接を受けに来てまともに挨拶できない人が、我が子を預けに来た親御さんに挨拶ができるはずがありません。

 

面接時に、笑顔で「おはようございます」「こんにちは」「よろしくお願いします」「ありがとうございました」と気持ちよく挨拶できる人は気持ちがいいものです。この人なら担任を任せても大丈夫かも、と思ってもらえることでしょう。

 

また、挨拶と同じくらいに重要なのが言葉遣いや口調です。相手に合った言葉遣いができるのかということはとても大切です。完璧でなくてもいいのです。心がけることがスタートなのです。保育園に対してのゲストは、子供達であって、その保護者なので、ゲストに対して適切な言葉遣いを心がけてほしいと思います。

 

さて、晴れてクラス担任になったら、あなたは何を大事にしたいと思うでしょうか。私が保育士として働いていたときに大事にしていたのは子どもの気持ちです。「この子は、何を求めているのか」「本当はどうしたいのか」ということを常に考えていました。「楽しんでいるかな?」「笑えているかな?」「寂しくないかな?」とたえず子どもの表情を見ていました。

 

朝、いつも元気よく登園してくる子どもの元気がないと、「どうしたのかな?」と思います。ケンカをして負けてしまった子どもを見つけると、「頑張って立ち直れるかな?」と心配します。

 

跳び箱の練習で、なかなか跳べない子には「諦めないで一緒に頑張ろう!」と練習に付き合いましたし、その結果じょうずにジャンプして何段もの跳び箱を跳べるようになったときには、「やった!」と一緒になって心の底からうれしく感動します。

 

どういうことなのかというと、やはり子どもの心に寄り添うことができるということではないかと思います。先ほども挙げたように、確かにピアノがじょうずな先生もすてき、絵がじょうずな先生もすてきです。できないよりはできたほうがいいでしょう。でも、なにより子どもの心に寄り添うことができないと、子どもとの信頼関係が築けません。

 

そして当然ながら保護者との信頼関係も築くのは難しいでしょう。要するに頼りにくい保育園の先生では困るということです。最初はもちろん、いろいろなことがあって何をどうしたらいいのかわからないと思います。けれども、保育士の仕事にちょっと馴れてくれば、自分は子どもの心に寄り添えているかどうか振り返ってみるといいと思います。

 

それから、例えば基本的なマナーが身についていることも大事です。箸の持ち方、食事の仕方、鉛筆の持ち方などです。整理整頓ができたり、脱いだ洋服のたたみ方も教えられるといいでしょう。

 

保育士は、ともすれば家族よりも長い時間を子どもと一緒に過ごす可能性が高い相手です。子どもたちは、保育士に育てられるといっても過言ではありません。子供達は、保育士が行う事をよくチェックしています。

 

話をするときも口調が似てくるかもしれません。言葉遣いも一緒になってくるかもしれません。まねをされても恥ずかしくない、子どもの手本となる保育士が望まれていることを覚えておいてください。

 

最後にもう一つ。同僚の保育士として、気働きができるというのは重要なことになります。一緒に仕事をしている仲間が困っているとき、作業に追われているとき、落ち込んでいるとき、理解してあげられるでしょうか?運動会だったり発表会の稽古の時、卒園式・入園式の準備など、行事のときには率先して働くことができる気働き。これができれば、もうベテラン保育士です。